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執筆者の写真Tsuda Outreach

NPO法人(特定非営利活動法人)JIYU様


 

ポストマンを通して経験できる”支援体験

活動に持続性を持たせるための工夫とは?

 




NPO法人JIYUは、東南アジアの子供達にランドセルや文房具、本、奨学金などを寄付し、​教育を支援している団体です。

今回はこの団体の評議員を務める小宮山さんに、以下のような流れでインタビューをさせて頂きました。

1、NPO法人JIYUとは?

2、支援先の状況について

3、活動上の工夫

4、他の団体にはない良さとは?

寄付活動の内容だけでなく、発展途上国の教育現場の実態もよくわかりますので、ぜひ読んでみてください!



小宮山 拓真さんプロフィール>

小宮山さんは、NPO法人JIYUの方々の考え方に魅了され、5年前から活動に参加。現在は株式会社TP Savingの代表取締役を務めながら、NPO法人JIYU評議員として主に活動の企画・広報役を担当している。




1、NPO法人JIYUとは?

Tsuda Outreach(以下TO):まず、団体の簡単な紹介をお願いします!

小宮山さん:私達はカンボジアやベトナムを中心に、東南アジアの発展途上国の子ども達へ日本全国から集めた文房具やランドセルなどを寄付する活動を2007年から行なっています。また、東南アジアへの旅行者に、集めた物を渡して旅行先で配ってもらう「ポストマンプロジェクト」という活動も行っています。

ベトナムの教育庁からの感謝状や、村山元総理からの創立10周年のお祝いをはじめ、沢山の方々に応援を頂きながら徐々に知名度も広がり、今では日本全国から毎日物資が届くような団体になっています。


コロナが落ち着けば、フィリピンをメインにポストマンの活動を再開したいと思っています。以前はベトナムでも活動していたのですが、活動し始めた15年前と比べて、ベトナムは裕福になり、山奥の学校でもスマホを持っている生徒がいるまでに発展しました。それに対してフィリピンは未だ貧しい地域も多く、お墓で暮らす子ども達や、スモーキーマウンテンというゴミの山でゴミ拾いをして生計を立てる子ども達も少なくありません。そのような子どもたちに、文房具などを寄付したいと考えています。








↑フィリピンの観光地セブ島にある、カレッタ墓地で暮らす子ども達。( HPより引用)




2、支援先の状況について

TO:支援先の教育現場の課題について教えてください。

小宮山さん:5年前、ベトナムの山奥の学校で支援をしました。椅子や机、黒板に関しては各国から支援が来ていて、15年前に比べると教育環境は良くなってきています。しかし、トイレの整備が不十分だったり、給食がなかったりと、完全に環境が整ったわけではないと感じました。教師の学力も、都市部の学校と山奥の学校ではレベルの差があります。しかし、人としてはとても暖かく、道徳の教育は日本よりも進んでいると思います。カンボジアの水上の学校にも行ったことがありますが、 そもそも勉強を重要視しておらず、 お昼過ぎには下校し家の手伝いをするのが日課になっていました。都市部の裕福な子ども達に比べ、彼らにとって、勉強や進学は生まれた時点で難しい選択肢になっているように感じましたね。

TO:まだまだ課題があるんですね……。ただ、私も以前ベトナムに行った際、言葉は分からないものの積極的に話しかけてくれた人が多かったので、人が温かいのはとても共感できます!










↑子ども達と大縄跳びを楽しむ様子。スポーツ系の遊びはとても盛り上がる!




3、活動上の工夫

TO:コロナで現地へ行くことが難しい中、子ども達と交流を続けるためにどんな工夫をされてますか?

小宮山さん:現地にある日本の他のNPO団体に協力を頂いています。

私たちが物資をタンカーで彼らに届けることで、変わらず交流や支援を続けることができました。協力パートナーが子ども達と近い距離で会話をすることで、子ども達の様子や、渡した物がどのように活用されているか報告をもらっています。

ただ機械的に送るだけでなく、きちんと手渡しすることにこだわりを持っています。

TO:現地に協力パートナーがいたとは知りませんでした!

このような状況下でも、現地の子ども達と交流し続けることを大切にされていて素晴らしいと思いました。

TO:活動を展開する上で難しかった点と、それをどのように乗り越えたか教えてください。

小宮山さん:痛みがひどい物や子ども達が喜ばない物がないかチェックする人と、集めた物を保管しておく場所の確保が非常に課題になりました。

ただ、我々には偶然にもメンバーの中に関連ある仕事をしている方や、地方に大きな施設を持っている方がいて、ボランティアとして協力を頂くことができました。

こういう影で支える仕事を引き受けてくださる方々はそうそう見つからないので、必要最低限の寄付金で活動ができているのは、本当に皆さんの協力のおかげだと思います。

TO:なるほど。裏側の仕事の役割がいかに重要かが分かります!


↑これまでに全国から寄贈されたランドセルは1982個!(2022年7月現在)

子ども達は色やデザインに関係なく、喜んでランドセルを受け取ってくれるそう。個数に制限があるが、成績が上位の子に渡せば競争意識が生まれ、学力アップに繋げることができるという。




4、他の団体にはない良さとは?


TO:JIYUの強みと言える部分を教えてください。

小宮山さん:ポストマンを通して沢山の人に現地を知っていただき、社会貢献をして世界に還元しようとする志が高いところだと思います。

JIYUの以前の団体名は「時遊人」で、時を遊ぶという字が入っていました。自分の人生も豊かにしつつ、その中で出来る最大限の努力を個人個人で行うのが、一番持続性がある活動ではないかと思います。


TO:確かに、ポストマンの活動は、旅行をしながら奉仕活動ができるので、ボランティアに行くよりも気軽に参加しやすい感じがします。その気軽さが、より多くの会員さんを集め、持続性ある活動に繋がったのですね!


TO:最後に、我々にもできる活動があれば教えてください!


小宮山さん:ランドセルはもちろん、使っていない文房具をぜひ寄付して欲しいです!子ども達はきっと何年間も大事に使ってくれると思います。

それから、社会人になってからは、ポストマンプロジェクトにも参加して頂けると嬉しいです。


〜あとがき〜


発展途上国の教育支援だけでなく、現地のリアルな生活状況や、団体を運営する際の工夫についてもお聞きすることができ、とても勉強になりました。コロナ渦で現地に赴くことが難しい状況に陥っても、子ども達と交流ができるよう工夫をしていることや、寄付金に頼らず必要最小限の資金で活動を行うことを大切にされていて、とても暖かな団体だなと感じました。ぜひ我々も今後寄付活動に協力させていただきたいです!


 

<NPO法人JIYUの皆様の活動一覧>






 









文:並木 優衣(津田塾大学総合政策学部1年) 







チョンタヒョン(津田塾大学総合政策学部3年)







榊原 千尋(津田塾大学総合政策学部1年)   

    







原田 颯子(津田塾大学総合政策学部1年)   

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