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執筆者の写真Tsuda Outreach

NPO法人川崎寺子屋食堂様


 

自分以外の誰かに目を向けてみませんか。

様々な環境で日々生活している子どもたちがいます。その現状に目を向けてみませんか?


 



神奈川県川崎市で経済的な課題を抱えている小学校4年生から高校3年生の子どもたちを対象に夕食を無償で提供する「こども食堂」と学習を指導する「寺子屋」を運営しているNPO法人川崎寺子屋食堂。子どもたちに対して、支援の手を差し伸べ、強い想いを持ち続けながら活動しています。今回は、事務局の竹岸章さんと副理事長の神谷勇治さんに取材をさせていただきました。



〈竹岸章さんプロフィール〉 一橋大経済学部卒業後銀行員となるも、性が合わず塾業界に転身。東進ハイスクールに35年間勤務し、定年退職後の2017年NPO法人の設立に参加。子ども達の笑顔と志望校合格が生きる力の源泉と感じている。







〈神谷勇治さんプロフィール〉 東大大学院卒業後、理化学研究所で40年間植物のホルモンの最先端の研究をすすめてきた。この分野で国内外の若手を育てたので、退職後の2018年から寺子屋食堂に加わり、 科学する喜びと楽しさを子供たちと分かち合っている。 ▶︎70才の誕生日に研究室の仲間から贈られたバースデイケーキ





「認識されていない現状」





▶︎ボランティアの方々が子どもたちに勉強を教えている様子 Tsuda Outreach(以下TO):子どもたちに無償で食事を提供する「こども食堂」ですが、支援している現状を教えていただけますか? 竹岸さん:はい、先日メッセージがきました。「今は学校も休みで、食べ物もあまりなく、親がいない時に食べる物をどうしようか迷っていました。その時に川崎寺子屋食堂さんがカレーをくださったおかげで休み中はお昼ご飯を困らないで食べることができました。」と。新型コロナウイルスの影響で2ヶ月も学校が休みだと、母親が働いている場合にはお昼が菓子パンかカップ麺なんです。また、ある中学生のお母さんなんですが、9時から17時まで働いていて、その後に18時から夜中までアルバイトをやっている。下の子供が小学校4年生で、川崎寺子屋食堂に通わせたいんだけど迎えにいけないという現状もあります。これは世の中ではなかなか認識されていないんだけど、実際はこういう現状は結構あるんです。 TO:なるほど、そのような現状を知らなかったです…。実際にはお金を寄付する形と食べ物を寄付する形、どちらがニーズとしてありますか? 竹岸さん:食べ物ですね。お金でもらうとどういう形で還元すればいいのかという問題があって…。物だとそのまま提供しやすいですね。そして、現在は個人の寄付がほとんどです。カレーやたけのこ、お肉など沢山の寄付をいただいています。 TO:そうなんですね。既存の物を寄付する方がニーズはあるんですね。では、寺子屋ではどういう活動を行なっているか教えていただけますか? 神谷さん:週に4回、川崎市の多摩区いこいの家というところで勉強を無料で教えています。母子家庭だと経済的な面で塾にいけない子どもが多いんです。そして、子どもたち一人一人の勉強方法や成果にも差が出てきてしまう。だけど、川崎寺子屋食堂では、レベルが違う子どもがきても、レベルに合わせて教えることができるのが強みですね。

「自分以外の誰かを助けたいという想い」




                ▶︎クリスマスパーティーの様子 TO:今後の展望・具体的なビジョンを教えていただけますか? 竹岸さん:東京都と神奈川県には姉妹校、兄弟校があるので、それ以外の45道府県で寺子屋食堂というのをやってもらいたいですね。それは今後働きかける予定です。 TO:そうなんですね!運営している方達の熱い想いが伝わって欲しいです。 神谷さん:このNPOを引っ張っているのは70代が中心なんです。60歳70歳と自分のために一生懸命働いて、残りの人生をどうやって生きようかって時に、自分以外の他の人のために、特に教育格差がある人たちだとか、貧困の問題を持っている人たちに対して、助けたいという強い意思がこの組織を動かしているんです。そして、やり続けていく情熱はどこからくるのかっていうと社会における自分の立場と、次の世代の子どもたちを貧しい子も豊かな子も同じように教育していかなくてはいけないという思い。貧しい環境になったのは自分で望んだ訳ではなく、社会の色々な状況でそうなっている。それを打ち破るためには、教育が大切な武器です。それをちゃんと捉えていくことが我々は価値があると思ってやっているんです。


〜あとがき〜

生まれ育った環境はひとりひとり違います。人は自分のことを考えることも大切なことですが、自分以外の誰かのために何ができるのか思いやる心もとても大切です。社会の現状に目を向け、自分に何ができるのか考えてみる時間を作ってみませんか?

 

川崎寺子屋食堂HP:https://terakoya.or.jp/


 


​文:山村奏(津田塾大学総合政策学部3年)






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