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執筆者の写真Tsuda Outreach

特定非営利活動法人伊賀の友様


 

誰もが「より良い生き方」を

農福連携により障がい者の自信や生きがいを見出す社会参画を実現する


 


障がい者の就労や生きがいづくりの場を生み出し、担い手不足や高齢化が進む農業分野において、新たな働き手の確保を目標に掲げられている特定非営利活動法人伊賀の友さん。

今回は創業者の上田佳苗さんに取材をさせていただきました。








<創業者 上田佳苗さん プロフィール>


子育てをしながら学校の保護者や生徒を対象に、茶道と華道を15年間指導を続けてきた。92歳の祖母が他界したのをきっかけに最後まで健康寿命を全うしながら地域で幸せに暮らしていくためにはどんな生き方をすればいいか?を追及するようになる。

ホームヘルパーを10年経験後、ケアマネジャーとして

高齢者の自立支援計画の作成を10年行う。

現在障がいのある方とともに地域で健康寿命を全うしながら幸せな生き方をするにはどのような生き方や考え方をするべきか?を共に追及し日々人としての成長を目指している。






「はじめは高齢者の生きがいのために」


Tsuda Outreach (以下・TO):まず初めに「伊賀の友」の活動に至ったきっかけと活動内容を教えてください。


上田さん:もともと社会福祉協議会に勤めてまして、そこでヘルパーさせていただいている中で、高齢者が最期まで健康寿命を全うしながら過ごしたいという思いを感じつつ、ヘルパーをさせていただいていました。しかし、ヘルパーをしていてはこの課題は解決できないということで、その地域にある古民家を改修して、そこでおうちにいるような感覚で皆が繋がって、活動できたらいいなと思い、2004年に地域の方を巻き込んでこのような場を作ったのがきっかけです。

その中で、デイサービスから高齢者サロンに移る人も増えてきたりして色々見直そうということになり、4年前から障がい者福祉の方に移行しました。障がい者の方が、生き生きと自分の強みを生かしながら地域で活躍できる環境をなんとか整えていけたらな、ということで訓練の場として就労移行支援事業をやりつつ、健康寿命を全うすると言う面で高齢者のサロンも続けています。特に今はコロナもあって、高齢者も繋がりの場を奪われつつあり、元気だった人も心身の状態が悪くなっている現状があるので、障がい者も高齢者も含めて繋がることができ、地域活性化・健康寿命の全うする場を作っていきたいと思い活動しています。


TO:なるほど。ホームページで拝見したオーガニックバナナの栽培はどちらかというと高齢者の方の健康寿命を延ばすための活動の一環でしょうか。


上田さん:オーガニックバナナ栽培を障がいを持つ方と高齢者の働く場所として現在進めています。伊賀市といえばNINJAなのでバナナも忍術でなにか楽しいことが起こせるような気がします。







「より良い生き方を見出す」



TO:ありがとうございます。就労支援に関してもう少し詳しくお聞きしたいのですが、トレーニングをする中で、スタッフ側からしても困難なこと、逆に利用者さんが困難に感じる部分はありますか?


上田さん:時間がかかりますよね。その人の持ってる強みを引き出してあげるっていうところが私たちの役目で、みなさんそれぞれ必ずいいところがあるので、特技とかを何とか仕事とかに繋げて、最終的に本当に「より良い生き方」、働くっていうよりかはこれからの人生の「より良い生き方」に繋げられるような職場であればなというところですよね。

ただ生活のためにお金を稼いで、また生活していく上で稼いでの繰り返しではなくて、いかにより良い生き方で生涯を終えるかという。そこに最終的には、我々もともにですけどね。そこに繋げて、モチベーション持って行けたりとか、活力ある生き方をできるかを重要視しています。障がい者は長いスパンで見ているので、自ら踏み出せる力、活力、生きる希望を2年間で引き出して、私たちがいなくても活動できるようになることが目標です。


TO:そうなんですね。今後は、就労移行支援というよりは伊賀の友さんで働けるような環境を作ったり、障害を持つ方が働く意義やモチベーションを感じられたりするような環境にしていきたいというところですかね。


上田さん:そうですね。地域の人や高齢者の方、多世代の人が繋がる場所でありたいですね。




「多世代が繋がる場所に・・・」



TO: 最後に私たち若者ができることと今後の展望をお伺いしてもよろしいでしょうか。


上田さん:障がい者、高齢者、健常者、若者が繋がることができるコミュニティづくりを目指しているので、若い方々にも実際にサロンに足を運んで高齢者や障がい者と交流して欲しいですね。また、最近は時代の流れが速いので、その流れについて行けない高齢者の方がたくさんいるんですよね。やっぱりそういう場面で、若者の発信力や情報共有力を生かして、情報によって人と人を繋いでいって欲しいです。

今後の事業展開に関しては、障がい者が私たちがいなくても自立して働くことができるよう、就労移行支援から障がい者の働く場の創造に移していきたいです。今後の目標は多世代が繋がり、NINJAバナナ農園で生き生きと活動しながら幸せを感じより良い生き方をしていくことです。


TO:素敵ですね。本日は貴重なお時間をありがとうございました!




〜あとがき〜

障がい者の就労支援や働く機会・場の提供だけでなく、高齢者×若者×障がい者×健常者という世代や障害をいう壁を超えたコミュニティ形成にも力を入れられている点にとても魅力を感じました。障害を持つ人が「就労する」ことを最終目標とせず、自ら一歩踏み出せる力を持ち、やりがいを感じながら働くことができる環境を整えることの大切さを改めて実感しました。



〈伊賀の友創業者からのメッセージ〉

若者の活気あるご意見にすごく力をいただきました。命を育む食を人任せにせず障がいあるなしにかかわらず皆で繋がりともに創っていくSDGs「すべての人に健康と福祉を」を目指していきます。是非一度風光明媚な伊賀市にみなさんでお越しください。これからも出会った仲間と共に喜び共に日々飛躍して参ります。よろしくお願いいたします。




 

<伊賀の友さんの活動一覧>

・伊賀の友 HP:https://www.iganotomo.com/


 


文:猪野陽菜(津田塾大学総合政策学部2年)


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